投稿日:2015.9.25 最終更新日:2026.9.26
ブランディングデザイン専門家 春山瑞恵
VI(ビジュアル・アイデンティティ)マニュアルは、ロゴやカラー、書体などの使い方をルールとしてまとめたガイドラインです。誰がどの媒体で制作しても同じブランドイメージを保てるようにするためのものです。ここでは架空の「サンプル総合病院」を例に、ロゴデザインから名刺・封筒・看板への展開まで、VIマニュアルの基本的な構成をご紹介します。ロゴを作ったものの、名刺や看板にどう展開すればよいか迷っている方や、これからVIを整えたいと考えている経営者・ご担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
ロゴマーク、シンボルマーク
シンボルマークは、企業や組織の理念を図形で表したブランドの顔です。基本色で表示するのが原則ですが、FAXやモノクロ印刷、刻印などカラーが使えない場面に備えて、単色表示のデータもあわせて用意します。
また、ロゴのまわりには他の文字や図形を近づけない余白(アイソレーション)を設けます。あわせて、小さくしすぎて形が判別できなくならないよう、印刷物・Webそれぞれの最小使用サイズも決めておきます。

ロゴタイプ
ロゴタイプは、名称を独自にデザインした文字です。和文と欧文を組み合わせることで、国内外どちらでも認識しやすくなります。文字の間隔や比率は変えず、指定のデータをそのまま使います。

ブランドカラー設定
シンボルマークに使う5色を、ブランドカラーとして決めています。印刷用(CMYK)、画面表示用(RGB)、Web用(HTMLカラーコード)の数値を明記しておくと、媒体が変わっても色のばらつきを防げます。
5色にはそれぞれ意味があり、オレンジは温かさとやさしさ、黄緑は成長、緑は健康と回復、水色は清潔感、青は信頼と安心を表しています。色に意味を持たせることで、ブランドの考え方が色からも伝わります。

縦横レイアウト
シンボルマークとロゴタイプを組み合わせたときの配置パターンです。縦組みは看板やパンフレットの表紙など正方形に近いスペース向き、横組みは名刺やWebサイトのヘッダーなど横長のスペース向きです。使う場所に合わせて選びます。

コーポレート・ステートメント
企業の理念、思想を凝縮したキャッチフレーズやスローガンと組み合わせて使用します。ステートメントの位置や大きさは、ロゴとのバランスを考えて決めた組み合わせを使い、勝手に変えないようにします。

推奨書体
ロゴや印刷物と調和するよう、欧文の推奨書体として「Optima Regular」を指定しています。販促物やWebサイトでも同じ書体を使うことで、ブランド全体の統一感が高まります。

ロゴの禁止事項
ロゴを正しく使ってもらうために、やってはいけない使い方も明記しておきます。たとえば、縦横の比率を変えて変形させる、指定以外の色に変える、影や縁取りなどの効果を加える、写真や柄の上に置いて見えにくくする、といった使い方です。禁止事項を具体的に示しておくと、社内外の誰が使っても誤用を防げます。

ステーショナリー展開例
名刺や封筒など、日常的に使う事務用品にもVIを展開します。人の目にふれる機会が多いため、ブランドの印象づくりに大きく役立ちます。
名刺
ロゴの配置に加え、所属名・氏名・所在地などに使う書体・サイズ・行間まで細かく決めています。誰の名刺を作っても同じ仕上がりになるよう、ルール化しておくことが大切です。

封筒角形2号、3号
封筒のふた部分にブランドカラーを入れ、下部に名称と所在地を配置しています。書類を送るたびに、受け取った方へ自然にブランドを印象づけられます。

所在地表示システム
法人名・名称・所在地・連絡先を組み合わせた表示パターンです。印刷物や広告などで所在地を入れる際は、このパターンから選んで使います。

看板・サインのデザイン展開例
看板やサインは、多くの人の目にふれるブランドの顔です。屋外・屋内を問わず、ロゴとカラーのルールに沿ってデザインします。
コーポレートサイン
院内の各センター・部門ごとに色を分けたサインの例です。部門ごとに色を変えつつ、シンボルマークとロゴタイプの配置を揃えることで、案内のわかりやすさと病院全体の統一感を両立しています。

VIマニュアルを作るメリット
VIマニュアルを作っておくと、担当者や制作会社が変わっても、同じ品質でデザインを展開できます。制作のたびにロゴの使い方を確認したり、修正をくり返したりする手間が減るため、時間とコストの削減にもつながります。そして、どこで目にしても同じロゴ・同じ色で表現されることで、お客さまの記憶に残り、ブランドへの信頼感が少しずつ積み上がっていきます。
TLBでは、ロゴデザインからVIマニュアルの作成、名刺や看板への展開まで一貫してサポートしています。自社のブランドづくりでお困りの際は、お気軽にご相談ください。









