ロゴデザインの考え方・作り方で大切な基本と6つの秘訣

投稿日:2025.1.25 ブランディングデザイン専門家 春山瑞恵

ロゴは、ブランドや企業の第一印象を決める重要な要素です。初めてロゴを作る際には「何を考慮すれば良いのか?」と悩むことも多いでしょう。本記事では、ロゴデザインにおいて押さえておきたい6つの秘訣を分かりやすく解説します。この記事を参考に、オリジナリティーのあるブランディングできるロゴを作りましょう!

この記事のポイント
  1. ロゴデザインの基本を理解できる
    初心者でも押さえておきたい6つの基本や秘訣が分かり、デザインの方向性を迷わず決められるようになります。
  2. 実践に活かせる具体策を知ることができる
    実際のデザイン制作にすぐ活用できます。効率的に作るためのヒントが得られます。
  3. ブランドのイメージを高めるロゴが作れるようになる
    視認性や覚えやすさ、柔軟性など、長く好まれるロゴに必要な要素を学び、ブランディングで活用できるロゴを作れるようになります。
  4. デザインの失敗を防ぐ
    よくあるデザインの落とし穴(視認性の低さや一貫性の不足など)を避けるための注意点が分かり、ロゴを作る自信がつきます。

名前の表記を明確にする

ロゴの最初のステップは、ブランド名や会社名の表記方法を決めましょう。ブランド名は顧客との初めての接点となり、認知度を高める上でとても重要です。
正式名称をそのまま使うまたは、略称や頭文字を採用するのかによって、デザインの方向性が大きく変わります。また、フォント選びや文字の配置も重要です。名前が読みやすく、直感的に伝わるロゴは、多くの人々に覚えてもらいやすくなります。視覚的に分かりやすい名前の表記は、ブランドを覚えてもらうための基本です。

具体的な例

・略称を使う場合、正式名称を補足するデザイン(例:頭文字の下に小さくブランド名を入れる)
・フォントの選び方(丸みのあるフォントは親しみやすさ、セリフ体は信頼感や近代的を表現)

代表的な事例 UNIQLO

UNIQLOのロゴは、ブランド名を読みやすくシンプルさが強調されたデザインです。正方形のエンブレムの中に英語と日本語バージョン「UNIQLO」「ユニクロ」の文字を配置し、赤と白の背景色を使うことで視認性を高めています。短いブランド名をそのままロゴとして使うことで、認知度を向上させています。

出典元:ユニクロ公式サイト(https://www.uniqlo.com/)

新しさと成長の可能性を表現する

ロゴは、ブランドが持つ未来への志向や成長のイメージを伝える役割があります。例えば、モダンで洗練されたデザインや、発展性を感じさせるモチーフを取り入れることで、ブランドのポテンシャルを強調することができます。新しさを感じられるイメージを表現することで、見る人に「このブランドは未来に向かって進化していく」という印象を与えられます。

具体的な例

・モチーフに動きを感じさせる形状を使用(矢印、流れるラインなど)
・モダンなカラーやグラデーションを採用して革新性をアピール

代表的な事例 Tesla

Teslaのロゴは、未来的で洗練されたデザインが特徴です。T字型のデザインは、電気モーターの一部をモチーフにしており、ブランドの技術革新や未来志向を象徴しています。このロゴは、持続可能なエネルギーの未来を目指すブランドのビジョンを完璧に表現しています。

出典元:Tesla ギャラリー Teslaジャパン(https://www.tesla.com/ja_jp/tesla-gallery)

長く使える安定感を持たせる

デザインには、時間とともに人々の心に残る力があります。流行に左右されるデザインは古くなりがちですが、シンプルで独自の個性を持つロゴは、時代を超えて人々の心に深く根付き、長年にわたって愛され続ける可能性を秘めています。そのようなデザインは、視覚的な要素を超えて、ブランドへの信頼と思い出を生み出し、顧客との深い絆を築きます。

具体的な例

・シンボルや文字が過度に複雑でないこと(ミニマルなデザイン)
・流行色ではなく、クラシックな配色を選ぶ(赤、青、緑、黒など)

代表的な事例1 Coca-Cola

Coca-Colaのロゴは、120年以上にわたりほとんど変わっていません。曲線的で優雅なフォントは、時代を超えて愛されるデザインの象徴です。この普遍的なロゴは、ブランドの安定感と信頼性を高め、消費者に親近感を与えています。

出典元:日本コカ・コーラ ホームページ よくある質問:「コカ・コーラ」のロゴの歴史(https://j.cocacola.co.jp/info/faq/detail.htm?faq=19768)

代表的な事例2 IBM

IBMのロゴは、水平ストライプが入ったシンプルでしっかりしたデザインです。このデザインは、ブランドの信頼性と革新性を象徴しているようで、数十年にわたってほとんど変更されていません。技術分野でのブランドの地位を安定的に表現しています。

出典元:IBM Documentation 商標(https://www.ibm.com/legal/copyright-trademark)

いろいろな場面で使いやすいことを考える

ロゴは、名刺や看板、ウェブサイト、SNSアイコンなど、さまざまな場面で使われます。
どの媒体でも美しく見えるような、柔軟で汎用性の高いデザインが求められます。例えば、シンプルな形状と明るい色合い、色を変えてもイメージが損なわれないことや、小さなサイズでもはっきりと見えることが大切です。

具体的な例

・色でも見やすいデザイン(白黒で印刷しても認識できる)
・正方形・長方形など、異なるフォーマットに対応できるバリエーションが可能

代表的な事例 Nike

Nikeの「スウッシュ」ロゴは、いろいろな場面での使いやすさを考慮して設計されています。単色印刷でも高い視認性を保つため、シューズ、アパレル、広告などのあらゆるアイテムで使いやすいです。小さいサイズでも認識可能なので、ロゴがシューズやアパレルのタグのような小さな面積にも対応できるため、ブランドの存在感を損なうことがありません。使いやすい代表的な例です。

出典元:NIKE, Inc. Logos(https://about.nike.com/en/newsroom/collections/nike-inc-logos)

見やすくて覚えやすいデザインにする

優れたロゴは、一目で何を表しているのかが伝わり、記憶に残りやすいものです。
複雑すぎるデザインは避け、視認性を高めるためにシンプルで洗練された形状を採用しましょう。また、美しくバランスの取れたデザインは、見る人に好印象を与えます。

具体的な例

・一目で何を表しているのか分かるシンボルを使用
・デザイン要素を3つ以内に抑える(形、色、文字など)

代表的な事例1 Chanel

シャネルの「ダブルC」ロゴは、高級感と覚えやすさを兼ね備えたデザインです。流行に左右されることがなく、長く愛されています。ブランド名を一切含まず、シンボルだけで強い認知度を誇ります。白黒の配色が多く使われており、コントラストがはっきりしているため、どんな背景にも映えるデザインです。

出典元:シャネル公式サイト(https://www.chanel.com/jp/)

代表的な事例2 三菱 (Mitsubishi)

三菱のロゴは、三つのひし形を組み合わせたシンプルなデザインです。このロゴは、視認性が高く、ブランドの歴史や信頼性を象徴しています。形状が簡単であるため、どのようなサイズや媒体でも一貫した印象を与えることができます。

出典元:三菱電機オッフィシャルサイト コーポレートロゴの歴史(https://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/gaiyo/history/logo/)

ブランドイメージと一致させる

ロゴは、ブランド全体のイメージと調和している必要があります。
たとえば、高級感をアピールしたい場合は洗練されたデザインを、親しみやすさを重視したい場合はカジュアルで柔らかいデザインを選ぶと良いでしょう。ロゴは、ブランドの個性や価値観を象徴する重要なパーツです。

具体的な例

・高級ブランドならゴールドやセリフ体を使う
・若年層向けのブランドなら明るい色と丸みのあるフォントを選ぶ

代表的な事例1 Starbucks

スターバックスのロゴは、ブランドイメージと一貫性を持つ優れたデザインです。ロゴに描かれたセイレーン(ギリシャ神話の海の女神)は、コーヒーを通じた豊かでリラックスしたイメージを象徴しています。また、グリーンとホワイトの配色は、自然やリラクゼーションを想起させ、コーヒーショップの温かい雰囲気と調和しています。

出典元:Logos | Starbucks Creative Expression(https://creative.starbucks.com/logos/)

代表的な事例2 LEGO

LEGOのロゴは、楽しい遊びや創造性を象徴するデザインです。ロゴの明るい色合いや柔らかな丸みのあるフォントは、子供から大人まで親しまれるブランドの親しみやすさを体現しています。また、赤、黄色、白の配色が遊び心を表現しています。

出典元:The LEGO Logo and Its History(https://blog.logomyway.com/lego-logo/)

まとめ

まとめるとロゴデザインは、ブランドのイメージを決定づける大切な要素です。名前の表記からブランドイメージとの一致まで、6つの秘訣を意識してデザインすることで、見る人に好印象を与えるロゴを作ることができます。この記事を参考に、ブランドにぴったりのデザインにしましょう!

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