Helveticaを使った有名ブランドロゴ9選の作り方

投稿日:2016.11.18 最終更新日:2024.02.06 ブランディングデザイン専門家 春山瑞恵

Helveticaフォントは、1957年にスイスで誕生した後、世界中で愛用されているフォントの一つです。そのクリアでモダンなデザインは、ヨーロッパやアメリカの公共交通機関から、私たちが日常使うコンピューターのOSまで、幅広く使用されています。特に注目すべきは、多くの世界的に有名なブランドが、自社のロゴデザインにこのフォントを選んでいることです。これらのブランドは、Helveticaの基本的な形を活かしつつ、細かな調整を加えることで独自のアイデンティティを表現しています。

このフォントを使ったロゴデザインとは、単にフォントを選ぶこと以上の魅力があります。デザイナーは、文字の太さを調整したり、文字間の距離を変えたりして、ブランドの個性を際立たせることができます。ブランド名や場合によっては、フォントをそのまま使用してそのシンプルさを生かすこともあります。これらの微妙な変更を比較することで、さまざまな表現方法やロゴの作り方が見えてきます。ここでは、Helveticaを用いた9つの有名なブランドロゴを例に、そのデザインの秘密を探ります。

そのままタイプしたものと、実際にHelveticaを使っている有名ブランドのロゴと比較してみました。
それでは、よく見かける9つの有名なロゴで見比べてみましょう。

Helveticaとブランドロゴは、どう使われている?

世界中の有名ブランドは、その普遍的な魅力と柔軟性からHelveticaを選んでいます。例えば、アップルは長年にわたり製品やマーケティングのコミュニケーションで使用してきました。同様に、BMWやトヨタといった自動車メーカーも、このフォントを用いることで、清潔感と信頼性のあるブランドイメージを築き上げています。これらのブランドにとって、Helveticaは、製品の質と精度を視覚的に伝える手段となっています。

パナソニックのロゴ|強さと一体感の象徴

パナソニックのロゴでは、HelveticaのBoldフォントをさらに太くしています。これにより、力強さと安定感を表現しており、技術力の高い製品を連想させます。また、文字間を非常に狭くすることで、一体感と緊密な関係性を強調しています。

アメリカン航空のロゴ|伝統と革新の融合

アメリカン航空のロゴでは、Helveticaを細かく調整しています。各文字に独自のタッチを加えることで、クラシックでありながらも現代的なブランドイメージを構築しています。文字の形状を微妙に変更することで、航空会社の伝統と革新性のバランスを視覚的に示しています。このロゴは、洗練されたデザインが、シンプルながらも深いブランドメッセージを伝えることができる素晴らしい例です。

エビアンのロゴ|純粋さと自然への近さ

エビアンのロゴは、特定の文字に特別な変更を加えています。「e」と「a」の形状を調整し、「i」の点を下に移動させることで、ブランド独自のスタイルを創出しています。これらの調整により、清潔感と純粋さ、そして自然への近さを象徴するエビアンのブランドイメージを強化しています。文字間を狭めることで、一体感と繊細さ、製品の品質と純度を強調しているかのようです。

ネスレのロゴ|親しみやすさと安心感の演出

ネスレのロゴは、Helveticaに柔らかな曲線を加えることで、親しみやすいブランドイメージを作り出しています。丸みを帯びた文字の形状は、家庭的な雰囲気と安心感を伝え、消費者に対してネスレ製品の質の高さと信頼性をアピールしています。

無印良品 (MUJI)のロゴ|無駄を省いたデザイン哲学

無印良品は、HelveticaのBoldを使用し、文字の水平比率を縮めることで、シンプルでありながらも印象的なロゴをデザインしています。この調整は、無印良品の無駄のないデザイン哲学と、機能性と美しさを反映しています。ロゴは、製品のシンプルさと、どんな環境にも溶け込む普遍的なデザインを象徴しています。

オリンパスのロゴ|技術の精密さと革新の象徴

オリンパスのロゴは、Helvetica Boldをさらに太くし、文字の水平比率を拡大しています。これにより、技術の精密さと革新を象徴するロゴが完成しています。文字の曲線は、製品の高品質とユーザーに対する細やかな配慮を表現しているかのようです。

フランフランのロゴ/洗練されたバランスと繊細さ

フランフランでは、標準のHelveticaとその極細バージョンを巧みに組み合わせています。文字間を適切に調整することで、洗練されたバランスと繊細さを持つロゴを作り出しています。フランフランの製品が持つモダンでスタイリッシュなデザインを象徴しています。

FENDIのロゴ|最小限の変更で表現される高級感

FENDIロゴは、Helveticaを非常に繊細に調整しています。標準のフォントを垂直方向にわずかに伸ばすことで、ブランドの高級感と洗練されたイメージを演出しています。この最小限の変更は、FENDIの製品が持つ上質さと時代を超えたエレガンスを視覚的に表現しています。

BMWのロゴ|動きとダイナミックさの象徴

BMWのロゴは、Helvetica Boldを垂直方向に縮小してブランドのエンブレムに採用しています。この調整は、動きと力強さを象徴し、自動車ブランドのダイナミックな特性と革新性を強調しています。BMWのロゴは、伝統と先進技術の完璧な融合を表現しており、消費者に対して信頼と品質のメッセージを強く伝えています。

まとめ

以上の例からわかるように、Helveticaフォントに少しの変更を加えるだけで、ロゴの全体的な印象を大きく変えることができます。これらのブランドは、Helveticaのシンプルさと汎用性を活かしつつ、独自のブランドアイデンティティを際立たせるために細かな調整を施しています。ロゴデザインでは、フォントの選択だけでなく、それをどのようにカスタマイズし、ブランドの個性に合わせるかが重要です。デザインの細部に注意を払うことで、独自性と魅力を持ったロゴを作り出すことができるのです。

こちらのHelvetica動画も必見です!参考にしてみてください。

Helvetica from emmanuel cruellas on Vimeo.

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