Futuraのフォントは、ギリシャのパルテノン神殿や古代ローマの建造物などに刻まれている碑文からアレンジされたものが由来になっています。
Helveticaと同じく「Futura」のフォントを使ってロゴにしている有名なブランドも沢山あるように思います。1923年にデザインされたものですが、現在も活き活きとしているフォントです。
このフォントの特徴は、「A」や「M」など先端がとがっていて、対称性、垂直、円を単純に幾何学的にした設計されています。Futuraの意味はラテン語で「未来」なので、先を尖らせて未来を表現しているように思います。背景が黒で文字を白にしても見えやすいタイポグラフィなので、モンタージュ写真(合成写真)とも相性が良いフォントと言われています。
Futuraを使ってロゴにしている有名ブランドと、手を加えていないFuturaと見比べてみると、どのように手を加えてデザインされているか見えてきます。よく見かける6つの有名なロゴと比較してみました。まずはオメガのロゴから。
オメガのロゴは、標準のFuturaです。MとAの文字を見ると水平比率に少し伸ばして、全体的にバランス良く広がっていて存在感をアピールしているように見えます。
ドルチェ&ガッバーナのロゴは、AやNの尖ったところを取っています。文字数が多いので、横幅が長くならないように文字間のスペースをギリギリまで狭くしてブランド名を大きく表現しています。
キャナル・プリュスのロゴは、フランスのテレビ局のロゴです。太めイタリックのFuturaを使用しています。背景黒の中に白文字で入っていてもハッキリ見やすいですね。
カルバンクラインのロゴは、FuturaのLigntを使用していますが存在感があります。 iの点は細いラインに合わせているようです。文字間のスペースや高さを調整していてシンプルにデザインされています。
ルイ・ヴィトンのロゴは、標準のFuturaを文字間のスペースを開けているだけでほとんど手を加えられていないです。
フォルクスワーゲンのロゴも、標準のFuturaを使っていてほとんど手を加えられていないですね。
おしまいに
Futuraを使用したロゴはいかがでしたか。コーポレート・タイプとして太め、細め、斜め、大小英文字と使えるので奥が深いフォントだと思います。こちらのタイポグラフィのプレゼン動画もかっこいいので、参考にチェックしてみてください。
FUTURA LE SPECIMEN ANIME from Thibault de Fournas on Vimeo.
投稿日:2016.12.12 最終更新日:2020.6.24
ブランディングデザイン専門家 春山瑞恵